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絵本の読み聞かせワンポイントアドバイス

 

1. 子どもが絵本を好きになってくれるには?どんな絵本を選んであげればいいの?


まず、幅広いジャンルの本を身近にたくさん用意してあげることが大切だと思います。
そうすることで、子どもの興味は自然と絵本に移っていきます。

例えば、今までは絵本にほとんど興味がなかったのに、遠足で動物園に行った日、帰るなり、動物に関する絵本を持ってきて、お母さんに「読んで」とせがんだ子どももいるんですね。
実際に体験したことを、もう一度絵本の中で体験しようとしているんです。

 ですから、そのときの子どもの心の動きに対応できるように、幅広いジャンルの絵本を用意してあげることが必要なんですね。
ただ、用意してあげただけではだめなんです。
それでは、いくらたくさんの絵本があっても、子どもが絵本好きになってくれることは少ないんですね。
読んであげるということが大事なんです。
読んでもらっている間、子どもはお母さんを独り占めして、その愛情を存分に感じることができます。

 それは子どもにとって、とてもうれしい体験です。
そういう体験が積み重なっていく中で、子どもは絵本のことを自然に好きになっていくんです。


2. キャラクター絵本を欲しがるんだけど?


キャラクターものの絵本というのは、いわば「おやつの絵本」です。
食生活のことを考えても、おやつばかりだと、栄養が偏ってしまいますよね。
ですから、いい絵本、「主食の絵本」をたくさん与えてあげてほしいと思うんです。

 「おやつの絵本」ばかりが5冊ある環境と、「主食の絵本」が100冊の中に「おやつの絵本」が5冊あるという環境とでは、子どもの「絵本」に対する認識が変わってきます。

「おやつの絵本」ばかりという環境にいる子どもは、おやつばかりを食べて、主食を食べなくなってしまうんです。
子どもがしっかりと「主食の絵本」と接することのできる環境をつくってあげることが大切だと思います。

 子どもが「おやつの絵本」ばかりになってしまった場合は、やっぱりお母さんご自身が「主食の絵本」を選び、子どもに与えてあげることが必要だと思います。
一緒に本屋に行くと、そういう子どもはどうしても「おやつの絵本」に目がいきますから、しばらく子ども連れで本屋に行くことを避け、お母さん自身が本屋や図書館で選んできた「主食の絵本」を家庭で読み聞かせてあげるのがいいんじゃないかなと思います。


3. 子どもにピッタリの絵本は?


年齢や学年はあまり関係ないんですね。
大切なのは、その子の「聞く力」です。例えば小学年生の子どもに年齢相応の本を読んであげても、聞く力が育っていなければ、それを楽しむことはできません。

言葉の意味を理解することはできても、その本が本当に伝えたいことを感じ取ることができないんですね。そういう場合は、たとえ幼稚園の年長さんや小学生になっていたとしても、「赤ちゃん絵本」と呼ばれる絵本から始めてあげてほしいと思います。

 逆に、幼稚園の子でも、幼いころからたくさん読み聞かせをしてもらっていれば、年齢的に高い本を読んであげても、きちんとその伝えたいところを感じ取ることができるんです。内容的にまだ早いかなと思っても、聞く力が育っているようであれば、読んであげてみてください。

例えば、絵本には、戦争や原爆、身体障害者を扱ったようなものもありますが、幼稚園ぐらいの年齢でも、そういうものを聞いて、感動して涙を流すことのできる子はいるんですね。

 年齢にとらわれず、いろいろな絵本を読んであげてほしいと思います。その中から、心の底から楽しめ、感動できる本との出会いが生まれてきます。それが、その子にとって一番ピッタリくる絵本なのではないでしょうか。
(「絵本講師・養成講座」テキストより)


4. 読み聞かせって、続けていると何かいいことあるの?

     

     「ことばの発達にいいんじゃないかしら…」「情操教育にいいって聞くし…」

 私も読み聞かせを始める時、そんなことをずっと考えていました。
そして、「とにかく始めなくっちゃ」というあせりに似た気持ちさえ、もっていたように思うんです。でもいまは…。

家事の合間に静かにしているなぁと思ったら、ひとりで絵本に見入っていたり、遊びの最中に絵本に出てくることばをいかにも楽しそうに繰り返して笑ったり…。

 そんな場面に出会うたび、絵本の読み聞かせは、うまく言えないけど何か「すごく大切なもの」を育ててくれているように感じるんです。
たしかに読み聞かせをすることで、子どものことばや情感が育っているとは感じます。でも、それと同時にもっと大切なものを育ててくれている。そして、その「大切なもの」が、私の子育てをずいぶん助けてくれているように感じるんです。

  絵本を読んであげる前、家事に明け暮れる私には気持ちのゆとりがなく、子どもとの間に心の隔たりがあったように思います。でも、絵本の読み聞かせという、 子どもといっしょに心から絵本を楽しむ時間を持つことで、私は日常の生活では伝えきれない「何か」を受け取ることができました。そう、絵本の読み聞かせ が、親子の結びつきを深めてくれたような気がするんです。 (「子育てレシピ」より)


5. 何か読み聞かせのコツってあるの?


「よ しっ、読み聞かせを!」と勢い込んではみたものの、家事や育児に追われる毎日…。それにせっかく読んであげても集中して聞くことができず、どっかに行っ ちゃうし…。せめて、子どもが興味を示して、ちゃんと聞いてくれたらなあ。やっぱり、特別な技術がいるんじゃないかしら…。

 そんな私でしたが、「下手でもいいから、とにかくたくさん読んであげよう」と心に決め、読み聞かせを続けました。
そして、そんな不安はまったく私の思い過ごしでした。

何しろいまや、子どものほうから「あれ読んで」「これ読んで」と次々に持ってきて、とってもにぎやかです(笑)。
そして、寝る前の読み聞かせタイムはしっかりとわが家に根付いてしまいました。

また、日頃子どもと深く接する機会の少ないパパにも、自然に子どもとふれあえる大切な時間になっているようです。そう、読み聞かせは子どもにとっても楽しみであると同時に、私たち親の楽しみでもあるんです。

  読み聞かせにコツがあるかどうか、私にはわかりません。もちろん、テレビの俳優さんみたいに、情感をたっぷり込めた読み方なんてできません。ただ、読み聞 かせを続けているうちに、子どもの好きな場面、笑う場面、泣く場面は、自然にわかってきました。私もそんな場面が大好きで、子どもと一緒に笑ったり、泣い たりしています。

 そんなふうに、私たち親も子どもも一緒に楽しんじゃう、それが長続きの秘訣“コツ”なんじゃないかしら。


6. 絵本はどれだけそろえてあげればいいの?

     

せっかくたくさん買ってあげても子どもが読まなかったら、ムダになるだけじゃないかしら? 
それに、たくさんありすぎると目移りしちゃって、かえっていけないんじゃないかしら?

 そんなことをいろいろ考え始めると「適量」なんてますますわからなくなっちゃいますね。

 子どもの好きな絵本は、そのときの興味や関心に応じて変わっていきます。
遠足に行った時に起こったこと、お風呂に入った時にに感じたことなど、クルクルと変わる子どもの興味・関心にいつでも応えられるように、いろんなジャンルの絵本を、たくさんそろえてあげることが大事なんです。

そう、絵本に「ありすぎる」ということはなかったんですね。
逆に、親の感覚で「これだけ」と決めてしまうと、子どもの可能性を制限することになるんじゃないかしら。

 実際に本箱に絵本があふれるようになった今、子どもは毎日「読んで」と何冊もの絵本を持ってきます。
そして、その絵本を見て、子どもの心の動き、心の成長を教えられ、びっくりすることもしばしば。

「ふーん、今はこんなのが好きなんだぁ」と教えられたり、私も気づかなかった絵本の意味を発見して「すごいなぁ」と感心させられたり…。もう驚きの毎日です。また逆に、絵本を読んであげたことで興味を持ち始めたこともたくさんあります。
子どもって新しい世界をどんどん広げていくんだなぁ。

 私の狭い領域で満足させてはいけない。
この子の可能性は限りなくあるはず…などと、と、少しばかりの親バカとたっぷりの愛情を注いで、できるだけ幅広いジャンルの絵本を、身近にたくさんそろえてあげるように心がけています。


7. うろうろ歩き回って聞いてくれないんだけど…
 

そういう子は、まだ本の楽しさ、読み聞かせの楽しさを知らないんですね。
まず確認していただきたいのは、読んでいる本が、その子の「聞く力」に合っているかどうかです。
聞く力が育っていないのに、年齢相応の本を読んであげても、集中して聞くことはできません。
その場合、絵本の内容をよりやさしいものにかえてあげることが必要です。
それから、押しつけになっていないかということです。

  子どもがほかにやりたいことがあっても「この時間は絵本を読み聞かせる時間よ。
じっと座って聞きなさい」ということでは、義務になってしまい、楽しくありません。

日常生活の中で自然に、そして、「本でも読もうか」という気楽な感じで読み聞かせてあげるのがいいと思います。

 それから、集中して聞ける環境が整っているかどうかということです。
テレビがついていたり、好きなおもちゃが目の前にあったりすると、どうしてもそちらに注意を引かれてしまいます。
絵本に集中できるような環境を整えてあげることが必要です。

そういうことに注意しながら繰り返し読んであげていると、子どもはきっと絵本が好きになってくれると思います。「集中させるにはどうすればいいか」というより、「好きになってくれるにはどうすればいいか」というように考えたほうがいいんじゃないでしょうか。

 そのためには、まず読み手が絵本を好きになることです。
「集中して聞いて!」と焦ったり、いらだったりしてしまうと、それは必ず聞き手のほうにも伝わります。
子どものペースに合わせて、日常生活の中で時間を見つけながら、気楽な気持ちで読んであげてほしいと思います。
(「絵本講師・養成講座」テキスト5巻より)


8. 卒業した絵本は片づけてしまってもいいの?

     

  何度も繰り返し読んだ絵本は、その子の親友みたいなものです。
1冊1冊の中に、読んでもらったときの楽しい記憶、お母さんと一緒に笑ったり、
泣いたりした思い出が詰まっていて、強いきずなが築かれているんですね。

興味がもっと高度な本に移ったとしても、できるだけ手元に置いて、いつでも手に取れるようにしておいてほしいと思います。いつか見返したときに、そのときの記憶がよみがえって、人生を歩いていくための支えになってくれることもあるんですよね。

 また、何度も繰り返し読んで、手あかがついたり、ページが折れてしまったり、よだれで汚れてしまったりしていても、できるだけ処分せずに、そのまま置いておいてほしいと思うんです。
大きくなってその絵本を手に取ったとき、そういうものの一つ一つが、読んでもらったときのあたたかな感覚とともに思い出されるんですね。

  絵本は「心のアルバム」です。親子で一緒に過ごした豊かな時間の大切な記憶なんですね。
捨てたりせずに、大切に取っておいてほしいと思います。(「絵本講師・養成講座」テキスト 5 巻より) 

 

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